会報

「おでんに入って1年たって思うこと」

「この方は何に対してこんなにもニコニコしているのだろう。」

「あの方はどんなことを伝えたくて大きな声を発しているのだろう。」

　メンバーと初めて会ったバーベキュー大会の日に、メンバーがどんなことを感じ、考えているのか知りたいと思ったのがおでんに入ろうと思ったきっかけの一つでした。それから約一年、どようだでようでメンバーと一緒にプールや料理や色々な場所へのおでかけをしたり、1980夢の日中活動に入らせてもらいメンバーと関わらせてもらったり、福祉ホーム愛のヘルパーに入らせてもらいメンバーの生活の一部を共に過ごさせてもらったり、色々な経験をさせていただきました。それでもメンバーと初めて会った日に知りたいと思ったことはまだ知ることが出来ていません。何を見てニコニコしているのか、声を発しているのは何を伝えたいのか、同じものを見てそれをどんな風に感じているのか…などなど、分からないことが多くあります。

　なんとなくわかる時もありますが、自分が分かったと思ったことは本当に正しいのかは分かりません。そういった中で職員さんやおでんの先輩の色々なお話から「こういうことを考えているのかな。それともこんな感じなのかな。いやいや、それとも…」と多くの可能性を見つけることができます。その発見をもとに「こうしてみればどうなるのかな。」と新たな挑戦をしつつメンバーと関わり、「これはこういうことだったのか。」と確信に近づいた気がすることもあれば、「違うのかな。」と再び考えることもあり、予想外の反応が返ってくることもありました。

　メンバーがどんな風に感じているのか分からなくても、分からないなりに「もっと知りたい」と思い、「どうすればいいのだろう。次はこうしてみよう。」と新たに挑戦して、それによってそれまで知らなかったメンバーの表情や様子や表現方法等を知ることができるのは貴重な体験だなと思います。メンバーの感じ方や考え方を本当に知ることはできないのかもしれないけれど、それでも少しでもメンバーがどんなふうに感じているのか知り、メンバーの世界に近づいていけたらいいなと思います。